「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。 「馬鹿」っていうと 「馬鹿」っていう。 「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。 そうして、あとで さみしくなって、 「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。 こだまでしょうか、 いいえ、誰でも。 -…
カテゴリ: 朗読
「祝婚歌」/吉野弘
二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派過ぎないほうがいい 立派過ぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい ---…
「かえるの王さま」/グリム兄弟
1 むかしむかし、たれのどんなのぞみでも、おもうようにかなったときのことでございます。 あるところに、ひとりの王さまがありました。その王さまには、うつくしいおひめさまが、たくさんありました。そのなかでも、いちばん下のおひめさまは、それはそれはうつくしい方で…
「今 」/ ヒロ
今の私が生きている そのことで、もう 私は過去を悔やまない 今のあなたがそこにいる そのことで、もう あなたの過去を責めはしない あなたがいて私がいる ほかに何がいるだろうか そう、そんな今のために ほかの全てが必要だったけれど あなたと私が初めて会った日 それ…
「汚れちまった悲しみに…」/中原中也
汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れちまった悲しみは たとえば狐の革裘(かわごろも) 汚れちまった悲しみは 小雪のかかってちぢこまる 汚れつちまった悲しみは なに望むなく願うなく 汚れちまった悲しみは 倦…
祈る人/水城雄
祈る人よ。 あなたはもう忘れてしまったのか。 私たちがやってきた道を。 ここへとつづく道のことを。 連なる尾根と人々の悲しみを越えて、はるか旅してきた道のりを。 いま、あなたはなにを祈るのか。 …